◆「森の匠」(もりのたくみ)とは


「森の匠」では「こうべ森の小学校」「こうべ森の学校」の活動のなかで得られる、さまざまな「森の恵み(林産物)」を、生活の中で利用できる用途を知恵を出し合いながら試行錯誤 しています。
例えば、スギやヒノキの人工林を間引いた(間伐した)樹木を建築・木工等の材料やクラフトにして、付加価値を付けようという考え方です。
私たちの活動を是非一度覗いて下さい。

 

ログハウスができるまで(ログハウスができるまで)

森の匠の知恵袋(メンバーのさまざまな創意と技)

 
◆森で見た面白いもの(3)(2009.6)

   
今回は、松の切り株から植物が新しい芽を出し生長して
いる様子です 。


右の写真は、再度公園の外国人墓地への道傍で写したものです。
枯れた松の大木が切られたあと、切り株やその周辺をベットにして次々と他の植物が大きくなって来ています。
外側にヒサカキやマツの若木、鳥たちが種を運んできたのか、切り株や窪みにはイヌツゲやタカノツメが観られます。
これから何年か経ったら、やがて切り株は朽ち果て、その場所にどんな植物が残り勢力をのばすのでしょうか。皆さん観察して下さい。

「森の匠」では今、こんな事をしています(2009.夏)

(「桜の苑」造成)
仙人谷梅林から少し登った所にある演習林は、樹木がうっそうと繁る薄暗い森でした。その場所にヤマザクラ、エドヒガンザクラを植えるため、3月から手入れを始め、先日約70本の苗木を植え終わりました。
その結果、それまでと見違えるほど太陽が差し込む様になりました。花を付けず幹だけが長く伸びていたコバノミツバツツジも整えられました。
私たちはその場所を”桜の苑”と呼ぶことにしました。何年かして、花の時期にはヤマザクラとコバノミツバツツジが咲くスポットとして、ハイカーに喜ばれるのを夢見ています。

(炭焼きのその後)
今年に入って4月までに4回炭焼きをしました。昨年までの作業データを下に、原木に対する良炭の歩留まりを上げるため、次の様な工夫を重ねました。
◎窯内の温度分布を知ること
そのため窯内上部、下部および排煙部の温度の経時変化を記録しました。5時間を過ぎると窯上部は350℃を越えますが、下部、排煙口は100℃までです。


原木の積み方
最初、全ての原木を立てにして、奥から手前に積んでいました。その結果一本の木の下のほうが焼けずに残るのが多かったので、2回目から窯の下に横に木を敷き、その上に立てて詰め込みました。

◎窯内の炎の色、煙の量と色を知ること
 経過時間と内部の温度、炎の色、排煙の量、煙の色等を観察し、記録を残すことにしました。今までのところ、その写真に記録はしていません。


◎焚き口の火力調整
350~400℃に保つように焚き口火勢を調節しながら約4時間、直径3cm位の穴のみを残し焚き口を密閉し同時に排煙口も密閉します。火を入れてから約10時間です。あと窯内への酸素供給はわずかで、内部は蒸焼きの状態が続きます。そのまま安全を期するため、窯内外を見守りました。


◎良炭の歩留まり
1回目に窯から出した炭の量は57kg、2回目74kg、3回目64㎏、4回目62kgとh2回目以降はほぼコンスタントに焼き上がっています。たしかに、1回目は半焼けの状態が目立ちました。

◎今後の課題
良い炭を焼くという課題を解決するには、色々な要素が総合されて結果が出るのでしょうが、私たちの作業はまだ始まったばかりで、沢山の条件を記録して行かねばなりません。将来は、この窯で誰でも良い炭を焼くことが出来る様にマニュアルを作りたいと考えています。

(除・間伐材の集積)
森の手入れの後、不用な枝や葉を一定の場所に集積します。その作業ではこんな事に注意します。
1.森を楽しむハイカーの目に美観を保つ
2.雨水等で流れない様にする
3.残す樹木の生長を妨げない場所を選ぶ
やがて、集積材は朽ちて小動物のビオトープとなり、やがては肥料になり土化してしまいます。

焚口
焚き口
炭窯に材を詰込む
炭窯に材を詰込む